現代医学の進歩は目覚ましいものがあるが、新型コロナウイルス対策に打つ手がないことが世界中で明らかになりつつあるのを見てもこの進歩は医療技術に偏ったものに思われる。...
前回、エチルアルコール(エタノール)の70%水溶液が鶏の卵の卵白を変性させることを示しましたが、引用した「アルコールと殺菌の話」[1]の中ではエタノール水溶液の濃度によって効果に差があることが示されています。...
今回の新型コロナウイルスへの医療関係機関の対策を見てきたが相変わらずの対症療法の枠組みから一歩も出ていない。従来の抗原抗体反応に対する抗ブロック薬という対症療法のいたちごっこではなく、ウイルスそのものを殺してしまう手法を何故開発しないのであろうか。...
新型コロナウイルスによる人心のパンデミックが世界中で拡大する中で各国政府の対応を見ていると医療関係機関も含め相変わらずの対症療法に終始している。結核予防用のBCGワクチンも効果があるらしいとの事で使われ始めたと黒川さんの情報である。駄洒落じゃないが、いつまでワクチンのワク(枠)にチン(沈)殿しているつもりなのか。...
生物学者の立場から新型コロナウイルスに対する提案を続けてきたが、予想通り、ごく僅かの人々からの反応しか得られていない。 何も知らない無辜の人々に私が体験したり、実際に見聞きした正しいと思われる情報を幅広く伝えるにはどうしたらよいのか悩んでいたところ、不思議なことに天からの配慮が伝えられた。...
3月26日、NHKの朝7時の国際ニュースで、ドイツのロベルト・コッホ研究所の所長が、新型コロナウイルスの流行は始まったばかりとの見解を述べていた。現時点でのドイツの感染者は35400人以上、死者は186人との事だが、実際はもっと多いだろう。フランスでは患者への人工呼吸器が全く足らない状態でお手上げという報道をしていた。...
前回、我国の竹林を有効利用するだけで一次産業が再生出来る可能性に対する私案を述べたが、これが単なる絵に描いた餅ではないことを中国の例で紹介しよう。日本竹炭竹酢液協会を立ち上げた後、当時在籍していた京都大学木質科学研究所に中国からの留学生であった南京林業大学の張敏君の紹介で浙江省にある浙江林学院の張斉生教授に出会い、彼の招請で中国での竹炭・竹酢液の指導をすることになった。 主に浙江省遂昌県を中心とする地域の竹資源を用いて製炭の技術を指導したのであるが、我国同様中国人も竹を炭に焼くという考えを持っていなかった。この地域は、昔から炭を焼いていたので、中国式の製炭技術は確立されており、炭焼き窯も炭焼きも多かったので比較的簡単に私の提案が受け入れられ、一挙に竹炭生産が始まった。 私が指導するまでは、中国の炭焼きさん達も、炭は燃料にするものと決めてかかっていたようであるが、「竹炭・竹酢液の持っている機能を商品化しなければならない。」という私の提案は短期間で見事に受け入れられた。これは、世界中で活躍している華僑でも分かるように、中国人の商才、商機を捉える天性の才能かも知れない。浙江林学院で行なった最初の講演会には500名以上の参加者があったが、その中で新華社通信の記者が参加していた。彼は私の講義を聴いた後、炭焼きに転じ、竹炭会社を立ち上げた。正に、“機を見るに敏”である。その中でも際立って抜きんでいたのが文照竹炭の陳文照君である。彼は親子三代にわたる炭焼きであったが、私に一番協力的で積極的だった。 2010年、彼からの連絡で、「竹炭博物館」を作ったので、見に来て欲しいとの連絡を受け、出掛けることにした。文照竹炭の社内にささやかに作られた物だろうと思いながら、現地についてみると写真に示すような正に奈良の大仏殿と見まごうばかりの壮麗な建物であった。僅か10年足らずで、たかが炭焼きと世間では思う人物がこれほどのものを作ったのである。博物館の周辺には、竹炭・竹酢液関連の物産館、食堂、ホテルまで建設されていた。その折行われた式典では、当時の中国共産党書記長の江沢民の妹で江沢慧、現代の中国のトップである当時国家副主席であった習近平も参加していた。我国では考えられないことである。 式典の後行われた講演会では、私がトップで壇上に上がることになった。彼等が私から受けた恩義を重んじてくれたことに感動した。翻って、我国を見たとき、人を利用するだけのあまりにも心貧しい連中ばかりで我国の行く末に暗澹たる思いをしたものである。
3月15日のニュースで、アメリカのトランプ大統領が、新型コロナウイルス対策として400億$、日本円にして4兆円以上の緊急予算を計上するとの報道があった。現状からすると、単なる対症療法にアメリカ国民の税金を使うという全くの無駄を繰り返すことになる。この金を私に使わせてくれたら、新型コロナウイルスを撲滅させるだけでなく、世界的に低迷する一次産業を復活させ、今後ITやAIによって職を失う多くの人々に就労の道を開くと共に、産業連関によって調和のとれた経済が発展する手立てを示すことが出来るのだが、実現不可能な話はさて置いて、今回の表題の提案をさせて頂こうと思う。Facebookで拝見していると、「竹林救援隊」という真面目なグループもあるようで、このグループの具体的な活動の一助にもなればと願う次第である。
前述したように、私の周りで竹酢液によってアトピー性皮膚炎が軽減したり、改善されたりした人々と、効果がなかったり逆にひどくなったりする人を分けてみると、効果があった人の方が多い。これらの人々は、そのほとんどが既存の治療法によって症状が改善されなかった経験を持っている。このような人々に対して治療効果があるということは、新規の治療薬として大いに注目されてもよさそうであるが専門家は横を向いたままである。あまり批判ばかりしていると嫌がられるので、拙いながら専門書から援用した知識を基にアトピー性皮膚炎に対する竹酢液の効果について述べてみたい。 はじめに、竹酢液と木酢液の組成分の類似性、相違を表三に示す。 木酢液については文献値で、アカマツ、クヌギ、カラマツ、ヒノキおよびユーカリについてまとめたもので、微量成分については上げていない。 竹酢液は、モウソウチクが主で、一試料だけマダケが入ったものをまとめた。表三で見ると、木酢液にあって竹酢液にないものがあるように見えるが、この表は両者とも測定の際にそれぞれの微量成分は表示しないで省いてあることを念頭においてみて頂きたい。表三から分かるように、主要成分の構成は共通するものもあるが、全体で比較すれば木酢液と竹酢液は明らかに異なるものであることが分かる。両者とも多成分系のややこしい混合物であることは間違いないが、竹酢液の場合は、モウソウチクやマダケに特定できる点で少しは扱いやすいだろう。 アトピー性皮膚炎の詳細については、メルクマニュアルという医学全般にわたる最新の情報を簡潔にまとめた素晴らしいテキストブックから引用させて頂いた。 アトピー性皮膚炎は、これまで効果の顕著なステロイド剤(副腎皮質ホルモン)の投与によって対症療法的に安易に扱われてきたようであるが、メルクマニュアルを読むと、免疫不全疾患に関わる厄介な問題がその奥に隠れていることが明らかにされている。それにもかかわらず、我国の医学界ではこの事を世に伝えていない。まさに、医者にあるまじき行為が平然と行われているのである。詳細は、メルクマニュアルを読んで頂くことにして、アトピーについてメルクマニュアルから簡単にまとめておく。 アトピー性疾患とは、4種類の型に分類された過敏症による疾患のⅠ型に分類されるもので、外来性あるいは内存性の抗原(アレルゲン)が身体組織の肥満細胞と血中の好塩基球の膜受容体に結合している特異的な抗体である免疫グロブリンEと結合した結果引き起こされる。 この抗原抗体反応によって、強力な血管作動性および炎症性の媒介物質の放出を引き起こす。この媒介物質はいろいろあるが、代表格がヒスタミンで、血管の拡張、毛細管浸透性の増加、分泌腺での分泌過多、平滑筋の痙攣、および好酸球と他の炎症性細胞による組織浸潤を生み出す。 これがアトピー性皮膚炎である。 ヒスタミンは人間の皮膚に多く分布している。ヒスタミンの化学構造は図二のような構造で、エチルアミンの仲間である。 エチルアミン(C2H5NH2)はアンモニアよりも強い塩基性の物質で、酸と出会うと塩を生成する。ヒスタミンは普段は他の物質と結合して不活性な状態で皮膚や筋肉などに存在する肥満細胞と呼ばれる細胞内に顆粒状で存在しているが、上述したように抗原(アレルゲン)が出現するとそれに対抗する抗体(免疫グロブリンE)との反応で活性化され、これが過剰に放出される結果アトピー性皮膚炎を引き起こすことになるらしい。しかし、ヒスタミンの特異的、恒常的機能についてはほとんどわかっていない。ヒスタミンの作用には、H1レセプター(受容体)を介する作用とH2レセプターを介する作用があるらしいが、これらのレセプターについてもその作用機構は分かっていないようである。要は、不必要なヒスタミンの出動を抑えてやればよいわけである。 分かりやすく言えば、ヒスタミンとH1レセプターによって、主としてアトピー性皮膚炎が、ヒスタミンとH2レセプターによって潰瘍性疾患が生ずるのであるが、ヒスタミンとH1、H 2レセプターがくっつく前に無害の物質をそれぞれのレセプターにくっつけてやり、ヒスタミンがレセプターと結合するのを阻止すればよいという考え方である。 この考えの基になるのが、レセプターを鋳型の雌型、ヒスタミンを雄型と考えた場合、雌型にヒスタミンがはまり込む前に別の物質をはめ込むような表現が成されている。 このような考え方で開発されたヒスタミンH1受容体拮抗薬(H1ブロッカー)として用いられている抗ヒスタミン剤を表四に示す。 表から明らかなように、人間に対する生理作用の面から見れば気持のよい物質ではない。これらが薬として認められているのである。しかも、下手するとこれらの薬剤の副作用によって新たな疾患を誘発する可能性を明確に持っており、この事についてもメルクマニュアルにはっきりと記載されている。何とも気持ち悪い話である。背に腹は替えられないとはいえ、まさにブラックユーモアである。 これらのH1ブロッカーは経口、経肛門あるいは静脈注射、筋肉注射によるもので、特に胃腸管からよく吸収されると述べられている。外用とは書かれていない。この事から考えると、これらの薬剤を用いた抗ヒスタミン軟膏などの塗布薬の効果は疑問視される。もし、効果があるとすれば、それらのほとんどが副腎皮質ホルモンを含んでいると考えるべきである。ここにも一般人の無知につけ込んだ製薬会社の詐欺的行為がうかがえる。 通常の抗ヒスタミン薬は一つあるいはそれ以上の環状基(表四の化学構造で五角形、六角形で示されている部分)に結合したヒスタミンに類似の置換されたエチルアミン側鎖を持っている。図二に示したヒスタミンの化学構造のエチルアミン部分と抗ヒスタミン剤の置換されたエチルアミン構造の類似性がヒスタミン受容体との反応において重要で、これらがヒスタミンに対して拮抗的阻害物質として作用するようである。 さて、本稿の目的は竹酢液がアトピー性皮膚炎に対しての効果の有無を論ずることであるから、複雑怪奇な病理の解明という袋小路に迷い込むことを避けて端的に整理してみよう。 表四に示した抗ヒスタミン剤の機能は、ヒスタミンあるいはその受容体の官能基により反応性の高い他の官能基をくっ付けてしまいヒスタミンや受容体の機能を変えてしまえばよいという単純な構図が考えられる。竹酢液に含まれる多くの成分には抗ヒスタミン剤と同じ官能基が存在する。しかも、生理的に厄介なアミン類については、抗ヒスタミン剤のような複雑な化学構造のものはない。それに猛毒の青酸カリ(シアン化カリウム、KCN)のシアノ基(‐CN)を含まないから、素人目には既存の抗ヒスタミン剤より生理的には安全のような気がする。その上、ヒスタミンやその受容体の官能基とよりラジカルに反応し、それらを不活性化するとなれば願ったりかなったりであろう。なぜなら、竹酢液に含まれている官能基は特定された抗ヒスタミン剤よりはるかに多く含まれており、ひょっとすると、より活性化機能の高い官能基が存在するかもしれない。さらに、竹酢液に含まれている多くの酸類は、ヒスタミンのエチルアミンと反応して塩を形成し、これによってもヒスタミンを不活性化することが考えられるだろう。 現象的、体験的には竹酢液のアトピー性皮膚炎に対する消炎効果が認められているのであるから、上述のような反応が起こっていると考えて間違いないであろう。
さて、いよいよ竹酢液のはたらきについて話を進めて行こう。そもそも、竹炭や竹酢液が世に出るきっかけになったのは、東北テレビで高名な評論家である草柳大蔵さんとの竹談義の中で竹炭や竹酢液の効用について、これまで民間で経験的に使われている話をしたことに端を発している。その折、自分が伝聞したことや、実際に自分の腰痛に竹炭を試してみたり、我家のダックスフントが皮膚の発疹に苦しんでいるのに竹酢液を用いるとうそのように治まることなど、自分で実際に確かめていたからであるが、草柳さんの知名度も加わって、竹炭、竹酢液の機能を強烈にアピールする結果となった。テレビの影響力は恐ろしいもので、このおかげで竹炭、竹酢液のブームは東北地方から始まったのである。 それまでは、従来通り燃料に使ったり、工芸炭として、土産物の花生けの花瓶にして細々と売られているに過ぎなかった。このようなことでは産業にもならないし、荒廃しつつある竹林の再生の役にも立たないので、竹炭、竹酢液の機能を商品化することの仕掛けをしたのであるが、これが見事に当ったと言えるだろう。しかし、その一方で、あっというまに魑魅魍魎が金儲けの手段として使い、インチキな連中が50㏄の竹酢液を5千円、1万円で売り出したのには唖然とするばかりである。 2000万人とも言われるアトピー性皮膚炎に苦しむ人々やペットの動物たちが少しでも安らいでくれたらと、しかも竹炭、竹酢液を世に出すことで関連産業が活性化される一助になればと、研究者の立場からすれば軽薄の誹りを受けることを顧みず話したことが見事に利用されたのであるから世の中は恐ろしいところだと実感した。 とはいえ、その後、5歳のころからステロイド剤を使い続け、そのリバウンドとアトピーの再発に苦しんできた女性が見事に治癒したり、心ある医者があちこちで治療に使い始めたのを見聞すると、一石を投じた意味があったのだろうと自分を慰めている。 前置きが長くなったが、本題に入ろう。木酢液については歴史も古く農業、工業、特に食品加工業や、第1号の対談の中で岸本先生が話しておられた霊元素アトムのように、医薬品としてなど多方面での利用が考えられてきた。もっぱらの利用は、農業用の成長促進剤、農薬および土壌改良材として三枝さん達がいろいろ研究されたようであるが、品質が安定しなかったり燃料革命による炭の需要の落ち込み、農薬や化学肥料との競争に勝てずあまり日の目を見ることがなかった。 最近になって、環境問題がかしましく取り上げられるようになって、再びクローズアップされるようになってきたようだが、これまで述べてきたように、多成分系の複雑な材料であるからよほど腰を落ち着けて研究しないと、従来の要素還元論的手法ではものにならないであろう。 効果の大小は別として、竹酢液のはたらきは木酢液と同様に考えればよいと思われるが、特定の効果についてはこれまでの公の研究機関、研究者側の対応ぶりから見てあまり期待できないので、それぞれの立場で必要とする人が自ら研究を進めていくしか方法はなさそうである。 本稿では、竹酢液に対して多くの人々の興味の中心であるアトピー性皮膚炎の消炎効果と糖尿病における血糖値の低減効果について、専門ではないが研究者の一人として既知の情報を援用しながら推論を進めてみたい。これをきっかけとして、多くの専門家たちが真摯に研究に取り組んでいただき、一日も早くアトピーや糖尿病の苦しみから患者を解放して頂ける一助になれば幸いである。