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新型コロナウイルスへの緊急提案―殺ウイルス薬の提案(2)

はじめに

前回、エチルアルコール(エタノール)の70%水溶液が鶏の卵の卵白を変性させることを示しましたが、引用した「アルコールと殺菌の話」[1]の中ではエタノール水溶液の濃度によって効果に差があることが示されています。
エタノール濃度が8~20%の場合、細胞膜が傷つき菌体内成分が漏出、トランスポート系酵素阻害などで菌が餓死する。死滅までの時間は30分~48時間と幅広い。40~80%の場合、細胞膜、蛋白構造などが急速に変性、破壊されるが死滅までの時間は5分以内と書かれています。
70%水溶液では卵白を混ぜた瞬間に白濁し始め、5分後には完全に凝固してしまいました。しかし、10%濃度のアルコール水溶液の場合は卵白の部分的な白濁が表面に現れるだけで大きな変化は観察されませんでした。前置きはこれくらいにして本題に入りましょう。

竹酢液の殺ウイルス効果

これまで述べてきたようにアトピー性皮膚炎や糖尿病、歯周病菌などに対する竹酢液の薬理効果は経験的に知られてきたことですが、還元至上主義的西洋医学の壁に阻害されてきました。しかし、新型コロナウイルスの出現でこの壁がベルリンの壁の崩壊のような方向に向かい、掛け替えのない命を慈しむという感性的所与に基づいた医療に変換していくことを願うしかないでしょう。
さて、「シンプル イズ ベスト」をモットーに以下のような手順で実験を進めましょう。
① 鶏の卵の卵白に竹酢液原液を加える。
② 卵白に100%酢酸を加える。
③ 卵白に10%酢酸を加える。
④ 卵白に10%エタノール水溶液を加える。
⑤ 酸化還元機能を比較するために70%エタノール水溶液と竹酢液原液を用いて、鉄の赤錆(三価の鉄イオン)がどのように変化するか比較する。
その結果は以下の通りでした。
① 卵白と竹酢液原液を1:2で混合すると卵白が白濁しはじめ5分後には凝固した。
② 卵白と100%酢酸を1:1で混合すると瞬間に白濁、固化した。
③ 卵白と10%酢酸を1:1で混合するとゆっくりと白濁が始まり、その後徐々に凝固が進んだ。
④ 卵白と10%エタノール溶液を1:1で混合すると10%酢酸同様ゆっくりと白濁が始まり徐々に凝固が進んで行くことが観察されたが、10%酢酸に比べると凝固の進行は緩やかであった。
四つの実験結果(①から④)と前回の70%エタノールと比較して以下のような考察が出来るでしょう。竹酢液は平均的には90%の水と残り10%の多成分が含まれた混合液です。残り10%の成分の中では酢酸が主となりますが、その他に塩基性成分、ケトン類、酢酸と同じカルボン酸の仲間、アルコール類、アルデヒド類、環状エステル、フェノール類等主な成分だけで33種類もの多様な成分が含まれています。
これらの多成分が複合的に機能しタンパク質の変性、凝固に寄与しているようです。100%の酢酸液の場合、瞬間に凝固、白濁しましたが、10%酢酸液の場合は③に述べた状態が観察されたのに比べ、竹酢液の結果は①の様になり、③に比べると70%エタノールの場合と同様の結果が得られたことから酢酸以外の成分が大きく機能していることが推察されます。これはひょっとして竹酢液は強烈な還元作用を持っているかもしれないと考え、鉄の赤錆(三価鉄イオン)の水溶液に竹酢液を加えてみると、見ている間に赤錆が黒錆(二価鉄イオン)に変化して液が真っ黒になりました(写真⑤右)。
これらの結果を総合して、竹酢液は強烈な還元力によってタンパク質を変性、凝固させる機能を備えていることが分かりました。
以上の実験結果から、竹酢液は新型コロナウイルスの蛋白構造を完全に変性させることによってウイルスそのものを殺してしまうと期待されます。

竹酢液の機能を応用した殺ウイルス薬の提案

これまでの新型コロナウイルスのパンデミックが収束しない中でワクチンの開発もさることながら、目前にある具体的な対策は竹酢液の機能を応用した殺ウイルス薬の製造を急ぐべきであろう。
竹酢液のそれぞれの組成分を定量分析し、この結果に基づいて各組成分を混合して合成竹酢液を作ることを提案したい。この方法であれば膨大な開発費用を使うことなく新型コロナウイルスを根本的に撲滅できることになり、多くの無辜の人々を救うことに加え、経済的打撃から回復できる道筋が付けられるであろう。
関係各位の英断を願って止まない。

野村隆哉研究所 野村隆哉 2020年8月17日