1992年、ロックフェラー大学のスティーブン・モースが編者としてまとめたEMERGING VIRUSES(突発出現ウイルス)という本が1999年に佐藤雅彦さんの翻訳で出版されている。
この書で、エドウィン・キルボーン教授(マウント・サイナイ医科大学)が“結びに代えて”としてまとめてあることを転載させて頂くことにした。
前提的教訓:“突発出現ウイルス”の監視と管理のための指針となるような事実と、合理的な推論、そして歴史的前例。
1.
1個の独立した「種」と見なされているウイルスの集団は、統計上“存在確率”の高い「コンセンサス配列」という理想的ゲノムの個体だけからなる“均質的集合体”とはほど遠い存在であって、実はどんなウイルスの「種」集団も、この理想的な塩基配列から様々な形で逸脱を起こしている膨大な数の変異個体が、それこそ雑然と寄せ集まった“遺伝的混成集団”に他ならない。しかも「種」としてのウイルスは、このように雑多な“遺伝的混成集団”として存在しながら、その遺伝子供給源の中で常に頻繁に遺伝子の突然変異や組み換えなどを起こしている。だが「新型」と名が付く以上、従来の平均的な表現型と若干違うウイルスを指していることは間違いない。
2. ウイルスは、それぞれ固有の宿主と共生的な進化を遂げて行き、結果的にウイルスと宿主の関係は、比較的安定した均衡のとれたものに落ち着くものと推測される。したがって、ウイルスが“種間宿主移転”を起こした場合には、固有の宿主の中で抑えられてきたウイルスの病毒性が、歯止めを失って暴走を来すこともありうる。
3. 固有宿主の個体内でウイルスと宿主との生物学的なバランスが崩れ、感染症が重症化することがあるとすれば、その原因は、通常は宿主側の抵抗力の低下によるものである。つまりウイルスの表現型―要するに病毒力―が変化したせいで固有宿主に致命的損害が及ぶようになる場合はめったにない。
4. 流行病を個々の患者の次元ではなく患者集団全体の次元で見た場合、格段に重症の疫病が流行りだした場合、その原因は通常ウイルス自体の突然変異か、特殊な環境変動が起きてウイルスと宿主との相互作用にその影響が及んだせいである。
5.
「既存の疾病」が「新たなウイルス」によって起きている場合もある。例えば、インフルエンザの場合、ある程度定期的にこれが起きている。つまり、既に述べたようにウイルス自体は常に突然変異を続けているのだが、その病原性を生み出している病原体の物理的・化学的構造の大枠が保持されてきたために、ウイルスが引き起こす疾病は何世紀もの間、同じ特徴を保持したまま“安定”してきたという状況である。
6. 「新たなウイルス病」は、通常は「既存のウイルス」によって、環境条件の変化で感染症の現れ方に変化が生じたり、“種間宿主移転”が起きて新たな宿主に感染することが原因となって引き起こされている。
結論的提言:上記の教訓から次のような実践的提言が導き出せる。
1. 新たなウイルス病に対する早期警戒態勢は、ウイルスと疾病の両方の発生動向を監視する必要がある。
2. “突発出現ウイルス”の予測を可能にするにはウイルスと宿主、環境変動のそれぞれに目を向けた総合的な生態系―すなわち疫学的生態系―の監視活動が不可欠である。
3. “突発出現ウイルス”の管理が成功するかどうかは、異常を探知した場合に計画的な反応(対応)が出来るかどうかに掛かっている。
医学の先進国のアメリカで、ウイルスに関する一流の研究者がまとめた結論的提言が上記のように皮相的で未完成なものであるから、今日の新型コロナウイルスに対する世界中のパニックがパンデミックになるのは当然の帰結であろう。生命系全体を統一的、根源的に見直し、ウイルスの本質を理解しなければならないのではないだろうか。この書が著されて、30年近く経ったにもかかわらず、現状はほとんど改善されていないのは異常としか言いようがない。この30年で、経済システムでの物流と商流がグローバル化する中で、このパンデミックが世界経済にもたらす被害は巨大なものになるだけでなく、環境破壊にもつながるだろう。この書でも明確にされているように、ウイルスは変幻自在に変化するにもかかわらず、それに対する対応は、慌てて消毒剤、それも唯一、単一成分のエタノールを撒いたり、ワクチンを作ったりと、相も変わらず対症療法の域を出ていない。エタノール耐性のウイルスが出て来るのも時間の問題である。多様に変異するウイルスに対して個々のウイルスに対応できるワクチンをそれぞれ何千万人分に対応できる量を作れるわけがない。これで私の提案が間違っていないことが理解していただけたのではないだろうか。
私の提案を再度まとめておきます。
- ウイルスの仲間は、その構造からして宿主に頼らなければならないため、基本構造のDNAやRNAを多様に変化させ宿主に適応できるようにしてきた。宿主に潜り込むことさえできれば、その環境に適応して自己増殖が可能になるが、その前に、宿主への侵入を阻害されれば、外部の自然界では生存能力は極めて低い生命体である。彼等が多様に変化できる機能を持っているのであるから、これと対応するには抗ウイルス剤やエタノールや個々のウイルスに特化した単一機能のワクチンなど、単一成分や単一機能ではなく、多成分系の抗ウイルス剤でその中の単一成分あるいは多成分が複合的に機能することで、ウイルスの機能を阻害したり、本体を殺すものでなければならない。木酢液、竹酢液はこの機能を全て具備している。
- 新型ウイルスに対するパニックがパンデミック化する前に、医療関係者は冷静に現実を把握し、私の提案を実践して、自分自身で木酢液、竹酢液のウイルスの効果を確かめることが肝要ではないだろうか。これらのウイルスに対する作用機序の解明は後付けで十分間に合うだろう。
- 注意しなければならないのは、私の提案に便乗して金儲けをたくらむ詐欺まがいの輩が輩出するのは間違いない。これを避けるためにも、私へのコンタクトを取られることを第一にして頂きたい。