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懲りずに続ける(Ⅱ)

木材や竹材を燃やした際に熱分解生成物として発生する種々の成分が水に溶け込んだものを木酢液、竹酢液と呼んでいますが、これが何故抗ウイルス機能を持つのかということについて私の見解を述べさせて頂きました。これを更に、分かりやすく理解して貰う事実を整理しておこうと思います。
私達の身近な食生活の中で、スモークサーモンやスモークハム等の燻製食品があるが、これらは全てナラやカシを燃やしてその煙成分を付着させることで腐敗菌の侵入を防ぐことが出来るのはご存知でしょう。
この燻製の技術は、昔の人々が生活の知恵として自ら身に付けたもので、現代のような科学的裏付けに基づいたものではありません。これについて科学的に理屈を後付すれば、煙成分の中に腐敗菌を防御する機能を持っているものがあるということになります。私なら当然これらの多成分系から成る諸成分の腐敗菌に対する機能を調べますが、食品化学や食品工学に携わる科学者たちはこの問題に関わろうとしていません。何とも奇妙きてれつなことです。その理由は簡単です。彼等の立ち位置は現代の自然科学の基礎となっている要素還元論に囚われ、そこから抜け出すだけのシャウベルガーのような才能を持っていないからです。おかげで、燻製品に用いられているのと同じ組成分が含まれている木酢液や竹酢液の素晴らしい抗菌、抗ウイルス機能は無視されて今日に至っています。全ての生命体は、DNAやRNAだけで構成されている極微のウイルスから全ての動植物に至るまで自己防御システムとしての抗原抗体システムを備え、自己保存、自己保続を計っているのですが、これらのシステムは全体的、総合的に見れば複雑極まりないメカニズムの上に成り立っています。しかも、これらのメカニズムが見事に調和してそれぞれの生命を維持しているのです。このような複雑系のシステムに障害が生じた場合、その部分だけの障害を取り除くために特化した単一物質を開発することだけを西洋医学は考えて来たようですが、
燻製食品のように経験に基づいた多成分系の生薬由来の東洋医学の手法をもっと取り入れるべきでしょう。ラオスの市場に行くと生薬を売っているお婆さんがいて、自分の症状を伝えると、それに適した生薬を即座にいろいろ配合してくれます。正に知恵の塊です。これらを煎じて飲んだり、燻してその煙を吸い込んだりするのですが、正に多成分系の治療方法です。何よりも大切なことは、色々の疾病が発症してから医者に掛かるのではなく如何にして己自身の免疫力を高めるかという努力が必要でしょう。竹酢液、木酢液は正に多成分系の生薬と言えるのではないでしょうか。