一般に、ウイルスの大きさは数十ナノメートルから数百ナノメートルと言われている。10のマイナス9乗分の1mと言われてもイメージできないが、ウイルスの大きさを1mに置き換えると私の身長1.71mは171万mということになる。エベレストの頂上から1mの大きさのものを見分けることすら不可能であるのに、その200倍以上の高さから見分けるなんてことは論外であろう。このような極微の生物が人間を襲うのである。正に、見えない者に対する恐怖でパニックに陥るのであろう。
マスクをしたところで単なる気休め、対症療法にもならないだろう。
マスクの繊維の隙間の大きさを考えれば一目瞭然である。
消毒液もエタノールがメインで使われているようであるが、これとて単一の物質であるからウイルスは多少時間が掛かるにしても抗体を作ってしまうだろう。正に、いたちごっこである。
ウイルスに関する研究はこれまで膨大な量が蓄積されているが、ウイルスを総体としてとらえ、彼等の機能を明確にしたものはほとんど見当たらない。その証拠はウイルス対策の稚拙さから見ても明確であろう。
医療関係者も今日のように専門分化してしまえば複雑系に属する生命体の本質は全く理解できていないと考えてよい。
前にも述べたように、タケの有効利用の一つとして炭にする過程で生成する竹酢液の機能を調べるため、化学の専門分野にその成分分析を依頼したが断られた。仕方がないので自分で一台が数百万円もするガスクロマトグラフィーやガスマスを苦労して購入し分析した結果、木酢液とは異なる成分があることが分かった。これらの成分の違いが抗ウイルス効果としてどのように現れるのか不明であるが、抗ウイルス剤としての基本は変わらないであろう。
少し長くなるがこれらの成分を表記すると、アルコール類では、メタノール、アセトイン、2・メチル・4オキソペンタン・2・オール、テトラヒドロフルフリルアルコール、アセトインプロピレングリコール、2・アセトキシエタノール、フルフリルアルコール、シクロテン、マルトール、5・ヒドロキシメチル・2・フルフラール、アセトール、エチレングリコール。酸類では、酢酸、プロピオン酸、ブチル酸、2・ペンテノン酸、ギ酸。中性物質では、アセトン、メチルアセテート、2・シクロペンテノン、3・オクチルプロピオネート、フルフラール、ヘキサン・2・5・ジオン、3・メチル・2・シクロペンテノン等21種類。フェノール類は、グアイヤコール、オルトクレゾール、メタクレゾール、パラクレゾール、エチルフェノール等22種類もの主な化学成分が、合計すると木酢液で44種類、竹酢液で30種類もの成分が確認されている。その他にも反応性に富んだラジカル物質や検出不能の微量物質が多数含まれていると思われる。これらの諸成分のどれが抗ウイルス性を発揮するのか不明であるが、複合的に機能するものと考えても、ウイルスがこれら複合液に対する抗耐性を作り出すことは抗体を作り上げるメカニズムから考えてもほとんど不可能であろう。
このような、興味深い複合材料が、木炭や竹炭を製造する過程で簡単に生成されてくるのである。製薬会社がこの複雑系に属する材料を組み合わせようとすれば、簡単に合成できる物と出来ないものがあるから恐らく不可能であろう。それゆえ、出来合いのものでごまかしてきたのである。医療関係者は、科学的証明を優先する前に実証から入るべきではないだろうか。とにかく、木酢液、竹酢液を使ってみるという勇気を出してもらいたい。中国の湖南省遂昌県は私の指導で中国一の竹炭生産地になり、竹酢液も大量に備蓄されているはずである。これを有効利用することで無駄な経費も使う必要が無くなり、産業の停滞を改善できるはずである。クルーズ船に閉じ込められている乗客乗員でまず試してみてはどうだろうか。閉じられた空間であるから、効果が明確に現れるだろう。